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日清オイリオグループ 国内油脂事業の利益拡大に重点的に

 日清オイリオグループは5月24日、同本社で2016年3月期決算説明会を開催した。連結業績について今村隆郎社長は「売上高は前期より0.4%減の3,278億3,600万円、営業利益は34.4%増の74億9,100万円、経常利益は32.8%増の77億3,200万円、当期純利益は53.6%増の52億9,600万円となった。営業利益、経常利益それぞれの増加については、新商品や付加価値商品の積極的な販売や、コスト構造改革への取り組みなどにより、日清オイリオグループ単体の増益に加えて、好調を維持しているISF社、その他海外子会社の増益、のれんの償却額が前年同期より減少したことなどによる。当期純利益については、税率の低い海外子会社の利益が増加したことや、ISF社の投資減税の影響などが要因になっている」と総括した。
 2017年3月期の連結業績予想は、売上高3,290億円、営業利益90億円、経常利益90億円、当期純利益60億円としている。今期は、2014年度からスタートした中期経営計画最終年度になり、「この最終年度の数値目標は当初、連結経常利益110億円としていたが、経営環境の変化を踏まえ、2016年度については付加価値商品の拡売とコスト構造改革等による構造的な安定収益の実現、継続的な増益体制の確立を最優先し、目標経常利益を90億円に設定した」と説明した。
 14年度からの3カ年中期経営計画の取り組み状況について今村社長は「連結全体や加工油脂事業、ファインケミカル事業では順調に利益の積み上げができている。しかし、当社グループの根幹の事業である国内油脂事業においては想定通りには進んでいない。16年度の計画の達成のキーとなるのは国内油脂事業である。加工油脂事業、ファインケミカル事業など他の事業が着実に利益の幅を大きく出しており、16年度は国内油脂事業において利益を拡大するために重点的に取り組みを行いたい」との考えを示した。