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ライオンが洗濯に関する生活情報懇談会

 ライオンは7月14日、東京・江戸川区の研究開発本部コミュニケーションセンターで「2016 お洗濯の最新情報に関する生活情報懇談会」を開催した。第1部の「お洗濯セミナー」では、今年12月に改正される繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法(以下、取扱い絵表示、あるいは絵表示)の改正とその背景や、最近の洗濯を取り巻く環境の変化について、同社お洗濯マイスターの山縣義文氏が解説するとともに、同社快適生活研究所の大貫和泉氏とファブリックケア事業部副主任部員の日俣創達氏が、衣料用洗剤の進化や、今の生活者の選択行動と環境対応を両立させた同社の超コンパクト衣料用液体洗剤「トップ スーパーNANOX」について説明した。

 山縣氏はまず、取扱い絵表示が改正される背景は2つあると指摘した。ひとつは、衣類などの生産や流通が日本だけでなく海外との取り引きが増え、それが一般化してきたこと。もうひとつは、洋服の絵表示は日本独自のJIS規格から、国際規格のISOに統一する動きがあることを挙げた。つまり、繊維製品を取り巻く環境が変化し、その変化に対応するために、2014年に新しい取扱い絵表示が制定され、本年12月1日から施行される運びとなっている。
 この新しい絵表示のポイントは4つある。ひとつは、5つの基本記号(従来あった絞り方の記号は削除される)と、付加記号や数字の組み合わせで構成される。棒や点などの付加記号は、処理の弱さや処理温度の高低をあらわす記号だ。2つめは、記号が22種類から41種類に増え、より細かな表示になること。3つめは、洗濯ネット使用、裏返しにして洗うなど、参考情報が簡単な用語で付記される場合があること。そして4つめは、表示は取扱いの上限を表し、表示よりも強い作用や高い温度での洗濯やアイロン掛けは、衣類にダメージを与える可能性があるということだ。
 例えば、桶のマークの下に2本の横棒を付記した絵表示は、洗濯機の非常に弱いコースで洗うことを示す。また、漂白剤に関する現行のフラスコ記号は△に置き換えられ、例えば△の中に斜線が2本入った記号は、酸素系漂白剤のみが使用できることを示す。同社が20~50代女性800人を対象に今年4月にWeb調査したところ、前者は正解17.4%、不正解が57%、後者に至っては正解率はわずか1.7%しかいなかった。また、後者の場合、わからないと回答した人が76.6%に及んだように、新しい絵表示の認知は進んでいない。
 そこで、ライオンは、アクロン公式アプリ「これ洗える?」を開発・配信している。現行絵表示、新絵表示の両方に対応し、絵表示をその場で素早く判定して、洗い方や干し方のアドバイスも見られる。

 大貫氏は、1951年の「ライポンF」以来、社会や環境の変化、生活者のニーズに合わせて、同社の洗剤の歴史と進化を振り返った上で、2010年に発売した超コンパクト液体洗剤「トップ NANOX」の主洗浄成分である界面活性剤MEE(メチルエステルエトキシレート)の特長について、ナノレベルに分解して落とす高い洗浄力や、高濃度でも固まらない性質により、コンパクト化と高洗浄力を両立した超コンパクト洗剤の開発につながったことを説明した。また、MEEは、泡切れがよく、衣類にも洗剤が溶けにくい性質があり、すすぎ1回の洗濯を可能にし、植物由来であることも合わせて、環境にも配慮した洗剤を作ることができたと語った。
 同社は現在、超コンパクト液体洗剤を2品販売しており、ひとつは「トップ NANOX」を進化させ今年2月に発売した皮脂汚れに効果的な「トップ スーパーNANOX」、もうひとつは抗菌効果のある「トップ HYGIA」がある。
 その「トップ スーパーNANOX」について、日俣氏は、二宮和也さんが様々な洗濯に挑戦するテレビCMさながらの重ね脱ぎした状態の過酷な洗濯環境などによる洗浄実証実験を交えながら、改良背景やスーパーナノ洗浄でセンイ1本1本から汚れを徹底クレンジングする特長を説明した。
 ナノレベルまで汚れを分解する洗浄成分MEEに加えて、今回新たに、センイ1本1本から汚れを浮かす機能を持った新成分LO(リフトアウト)を配合した。「トップ スーパーNANOX」発売後の週別金額実績は、前年比約140%と好調に推移している。