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かどや製油、国内家庭用ゴマ油が大きく伸長

 かどや製油は6月7日、東京・日本橋の野村證券日本橋本社で2017年3月期決算説明会を開催した。
 はじめに戸倉章博常務が当期決算概要について説明し、売上高285億800万円(前年比5.0%増)、営業利益35億8,200万円(同128.1%増)、経常利益33億7,500万円(同47.8%増)、当期純利益26億7,300万円(同86.0%増)の増収増益となったことを報告した。2013~15年度に10%を下回った経常利益率も16年度は11.8%に回復し、「今期以降も2桁台をキープできるよう努力していく」と述べた。
 また、今期の業績予想については、売上高は285億円とほぼ昨年並みを見込み、売上原価もほぼ同値が予想されることから、営業利益36億円(前年比0.5%増)、経常利益36億円(同6.7%増)としているが、当期純利益は前期に神戸事業所の売却益が乗ったこともあって、今期は24億5,000万円(同8.3%減)を計画している。

 経営展望を説明した小澤二郎社長は、ゴマ油の販売について「17年3月期は、値上げが一段落したこともあり、順調に推移し、販売金額・数量ともに増加した。特に国内の家庭用ゴマ油が大きく伸長した」と総括した。
 家庭用は、昨年度は積極的な拡売を実施した。競合他社の値上げや、健康イメージのオイルブームも追い風になり、販売数量・金額ともに増加した。今期は「純正ごま油」50周年にともない、リカちゃんを起用した50周年記念プロジェクトを4月から開始し、広告展開や消費者キャンペーンを積極的に行っている。また、「純正ごま油」の300gPETを発売し、瓶からの切り替えを図るとともに、「純白ごま油」の拡販も積極的に行っていく方針で「今期は販売数量、金額ともに伸ばす計画」になっている。
 業務用は、前期より原料安となったことから、大口ユーザーを中心に値下げ要求が強まり、販売単価は低下傾向になったが、600gPET製品の家庭用市場への売り込み等が奏功し、昨年度は販売数量・金額ともに増加した。今期は、600gPETを積極的に拡売し、外食ルートの販路開拓や中食・CVS惣菜等への売り込みも強化する。販売金額は減少を見込むが、販売金額は前期並み、あるいはプラスαできるように努力する考えだ。
 輸出用は、前期は円高の影響から販売金額の伸びこそ微増だったものの販売数量が大きく伸長した。今期は「かなり価格競争が厳しいが、きちんと対応して販売していく。少なくとも数量は前年同程度を確保していきたい。加えて、300gPET製品の導入やPB案件の新規獲得、また、加工メーカーへの売り込みなどから、数量は前期並みは確保できると思うし、販売金額は少し伸びる」ことを見込んでいる。