音楽が聴こえる子ども向けハブラシ「Possi」
京セラ・ライオンが共同開発、ソニーが支援
posted on : 2019.07.13
京セラとライオンは、子ども向け仕上げ磨き専用ハブラシ「Possi(ポッシ)」を共同開発し、7月3日より、ソニーが運営するクラウドファンディングサイト「First Flight」(https://first-flight.sony.com/pj/possi)にて事業化に向けた支援募集を開始した。同日、東京・港区のソニー本社で3社が説明会を行い明らかにした。
京セラは、オープンイノベーションによる新規事業の創出を加速するため、2018年より「Sony Startup Acceleration Program」(SSAP)に参加している。共同開発品「Possi」は“子供が嫌がる歯磨きを楽しい時間に変える”をコンセプトに、デザイン・音楽・テクノロジーを融合して開発した。ソニーがSSAPを通じて提供するスタートアップの事業化のための体系的なノウハウや知見を元に、京セラの有するセラミック技術とライオンのオーラルケア製品に関するノウハウを融合した。
「Possi」は音楽に合わせて振動する交換可能なハブラシヘッド、音楽を止めるミュートボタンと、オーディオジャックから構成される。オーディオジャックでオーディオ機器と繋げて「Possi」から音楽を再生する。オーディオジャックの抜き差しが「Possi」の電源のオン・オフになる。再生した音楽に合わせてハブラシヘッドが振動し、ブラシが歯に当たると歯に振動が伝わり音楽が楽しめる。子どもがハブラシを噛んできたら、ミュートボタンで音楽を止められ、ハブラシを噛む=音楽が聞こえなくなるという体験を通して、ハブラシを噛まなくなる習慣づけをサポートする。
圧電セラミック素子を用いた音の鳴るハブラシというアイデアから事業プランを作成するために、SSAPを通じて新規事業立ち上げの考え方などを短期間に集中的に支援したことで、スタートから9カ月で商品発表に漕ぎ着けた。その中で、オーラルケアのリーディングカンパニーであるライオンも「Possi」プロジェクトに共感し、参加した。
ライオンは、圧電セラミック素子の振動を歯に伝える高い振動伝達効果と、ハブラシの基本機能である優れた清掃性を両立するブラシ部の設計に取り組んだ。圧電セラミック素子をプラスチックとゴムでサンドイッチし、その内部を中空構造とするため、同社の高分子材料技術と成形加工技術を駆使し、ハブラシとしての品質を確保した。