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味の素、2020年3月期事業利益は過去最高

味の素は5月27日、2020年3月期決算発表会見をオンラインにて実施した。
 最初に、水谷英一グローバル財務部長が2020年3月期の決算概要について報告した。同期売上高は1万1,000億円で前年比98%と減収。製薬カスタムサービスや医薬用・食品用アミノ酸は増収したものの、動物栄養事業が大幅に減収したことが要因だ。一方、事業利益は992億円と前年比6%の増益で、過去最高となった。動物栄養事業は大幅減益だったが、同社重点事業の加工用うま味調味料、調味料・加工食品、冷凍食品、化成品、コーヒー類が約130億円と大幅な増益だったため、動物栄養の減益を跳ね返した内容となった。当期利益については、減損損失に加え、特別転進支援施策の費用65億円を含む構造改革費用などが発生したため減益となった。
 続いて西井孝明社長が、新型コロナウイルスの影響と、2月に発表された中期経営計画における構造改革の進捗について報告した。
 まず、新型コロナウイルスとの闘いについて「医療関係者をはじめとする、私たちの健康を維持するために頑張っていただいている方々に深い感謝を申し上げたい」と、感謝を表明した上で、同社の新型コロナウイルスへの対応やその影響について「3月終盤からの約2ヵ月間は、従業員らを感染から守ることと、生産活動を止めないことに注力した。業績の面では内食は伸びたものの、やはり外食のマイナスが響いている。特に、外食の構成比が高い冷凍食品が厳しい」と述べた。北米・南米では同社生産従事者にも罹患者が出ているが、都度、ラインの停止や全消毒等、必要な措置を講じてから生産を再開することを繰り返しており、世界の全工場で生産活動を続けているという。こうした中、日本の家庭用商品など一気に需要が拡大した事業については、生産が追い付かず、物流のパンク状態なども見られたが、特売の中止や一部商品の休売など、東日本大震災の際に構築したBCP計画を発動させ凌いでいる状態だ。