花王と油脂製品製造および販売会社のアピカルグループ、農園会社のアジアンアグリの3社は、パーム油の持続可能なサプライチェーンの構築をめざし、インドネシアネシアの小規模パーム農園の生産性向上、持続可能なパーム油に対する認証取得を支援するプログラム「SMILE」を開始した。
　同社は10月14日、東京・茅場町の本社でプレス向けに説明会を開催し、根来昌一常務が「SMILE」プログラムの概要について説明を行った。
　パーム油は、加工食品、食用油、洗剤原料などに幅広く利用されており、その中で主要生産国のインドネシア、マレーシアでは、環境への影響、労働者の労働環境、児童労働などが懸念されている。
　こうした中で、花王は、トレーサビリティの確保（搾油、農園）、RSPO認証油の購入、サプライヤーへの働きかけなどを通して持続可能なパーム油調達の取り組みを進めている。トレーサビリティについては、2018年に搾油ミルまでのトレーサビリティ完了、20年に全ミルリストを公開し、30年には農園までのトレース完了を目標に掲げている。また、RSPOなどの認証油については、20年までにコンシューマー製品を対象に100％置き換えをめざしている。
　しかしながら、インドネシアでは、生産量の約40％を占める独立小規模パーム農園で生産技術に関する情報不足による低い生産性に加えて、貧困や劣悪な生活環境などの課題を抱えている。
　そこで、花王は、インドネシアの最大手輸出企業のアピカルグループ、同国最大手のパーム油生産者のアジアンアグリとともに、小規模パーム農園の抱える課題の解決に向けて、協働で支援を実施する。