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モンサントが都内でセミナーを開催
 ω3脂肪酸を産生するSDA大豆を紹介

 
 日本モンサントは10月4日、都内でセミナーを開催し、モンサント・カンパニー(本社・米国ミズーリ州)が開発したω3脂肪酸を産生するSDA(ステアリドン酸)大豆を紹介した。
 モンサントは、遺伝子組換え技術を用いて、除草剤耐性や害虫抵抗性など生産性向上などの利点を持つ作物を開発するだけでなく、栄養面における価値や機能を備えた高機能性作物の研究開発にも取り組んでいる。SDA大豆もそのひとつで、体内で合成できない必須脂肪酸であるω3脂肪酸の新たな供給源として期待される。
 セミナーでは、はじめに、国際生命科学研究機構(ILSI-Japan)の末木一夫事務局次長が、ω3脂肪酸の健康維持・増進に対する効果と海外のヘルスクレームや食品への利用状況について講演した。
 続いて、モンサント・カンパニーのバイオテクノロジー応用食品開発担当部長であるリチャード・ウィルクス氏が、同社が開発した「SDA大豆油;体に良いω3を畑から」と題して講演した。SDA大豆は、遺伝子組換え技術によって不飽和酵素を導入することによって、通常の大豆には含まれないSDAを大豆油中に20%含んでいる。
 SDAはEPAの前駆体であり、体内におけるEPAへの転換率は1/6~1/3という研究結果があるように、αリノレン酸に比べてEPAへの転換率にも優れている。SDA大豆は、1エーカーでサケ1万3,000食分(1食:85g)に匹敵する。
 また、SDA大豆油は、魚油と違い安定性が高く、食品の風味を損なわないことから、スナック菓子やマーガリンをはじめ、幅広い食品用途での利用が想定される。また、養魚飼料や家畜飼料、特定の工業用途における潜在的な市場も評価中だという。