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第8回JOPAセミナーが開催
チャンドラン氏がパーム油について講演

(社)日本植物油協会が主催する第8回JOPAセミナーが2月28日、東京・ロイヤルパークホテルにおいて開催された。今回のテーマは「国際的なパーム油供給チェーンの持続的確保について」で、マレーシアパーム油協会の元CEOでRSPO(パーム油の持続的発展のための円卓会議)の初代議長を努めたM.R.チャンドラン氏が講演した。
 チャンドラン氏は、世界の油脂需要が今後も高い伸びを示す一方で、それに応えられるのはパーム油以外にはないとし、「マレーシアのパーム油作付けは環境問題などから今後の伸びは期待できない。インドネシアは現在800万ヘクタールの作付面積だが、これに加えて、カリマンタンやパプアなどに新たな耕作地として1,600万ヘクタールが期待できる」と報告した。ただ、インドネシアはノルウェーとの協議で、原生林の伐採を今後2年間一時停止することを決めており、3~4年後には増産が難しくなり、パーム油の需給がタイトになるとの見方を示した。
 また、RSPOの認証制度について、すでに110万ヘクタール以上の農園が認証を取得しており、年間生産量はパーム油全体の10%、約550万トンに達することを明らかにした。認証パーム油のプレミアム油は当初50ドル/トンとされていたが、現在は3~4ドルに下がっていることを明らかにすると同時に、認定コストは5~15ドル/トンと幅があると語った。「たとえばスマトラで農園を経営しているカーギルの場合は、認定コストは5ドル以下になっている。これは開発当初からRSPOの基準を満たすような取り組みをしたことによる。またISO9000をすでに取得している農園も多くあるが、こうした農園の認定コストは5ドル程度に止まっている」とチャンドラン氏は述べた。
 詳細は「油脂」4月号で掲載予定。