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第111回食用加工油脂技術研究会が開催

 全日本マーガリン協会の食用加工油脂技術研究会は6月14日、第111回食用加工油脂技術研究会の講演会を開催した。
 今回は「マリンケミカル“フコキサンチン”の機能性」(北海道大学大学院水産科学研究院の細川雅史准教授)、「X線マイクロCTによる食品の内部構造の観察とその応用」(岐阜大学応用生物科学部の西津貴久准教授)、「油脂および油脂加工食品の物性分析」(月島食品工業品質保証部神戸品質管理課の畠山奈緒子課長)による3題の講演が行われた。
 細川氏は、ワカメなどに含まれるカロテノイドのフコキサンチンについて、抗肥満・抗糖尿病作用を中心に解説した。
 西津氏は、これまで医療分野で利用されてきたX線マイクロCTを食品分野で活用するにあたって、測定原理と方法、留意すべき点などを具体的な例を挙げながら解説した。X線マイクロCTは、食品の空隙構造の定量的把握に有効であること、前処理が不要であるため、軟弱な食材でも観察可能なことなどを指摘した。
 3題目の畠山氏は、油脂加工食品の研究開発にかかわる物性分析を行ってきた経験から、測定の注意点やコツ、解析方法、データの持つ意味などを分かりやすく紹介。油脂は多成分からなる混合系であり、結晶多形を持つため、熱や物理的な力によって簡単に物性が変化する。そのため分析が難しく、しばしば検査する人によって誤差が起きることがある。