バイテク情報普及会がGM最新状況のセミナーを開催
posted on : 2015.02.18
バイテク情報普及会は、2月2日、東京・中央区のベルサール八重洲において「2014年世界のバイテク/GM(遺伝子組換え)作物の商業栽培に関する最新状況」と題してセミナーを開催した。
国際アグリバイオ事業団(ISAAA)国際コーディネーター兼東南アジアセンター理事長のランディ・A・ホーティ博士が「フィリピンにおけるバイテクトウモロコシの導入とインパクト」を、ISAAA名誉会長のクライブ・ジェームズ博士が「2014年 世界のバイテク/GM作物の商業栽培に関する状況」について講演した。
ジェームズ氏は、2014年のバイテク作物の商業栽培の状況について説明した。商業栽培が開始されたのは1996年で、栽培面積は当初の170万haから2014年には100倍以上となる1億8,150万haまで増加した。13年対比では630万haの増加、3~4%の伸長率となった。世界の28ヵ国で、1,800万人の農業生産者がバイテク技術を使用している。また、最近では途上国の栽培面積が先進国を上回るほどに拡大している。
次いで、14年の国別栽培状況の説明では、まず中国について、Btのパパイヤの作付面積が50%増加し3つの省で栽培されていること、トウモロコシは現在3,500万haというアジア最大の栽培面積でありさらなる拡大が期待できることなどを述べた。
バングラデシュでも2014年は大きな動きが見られた。全体で1,400万haという小規模ではあるものの、Btブリンジャルというナスの承認が新たになされた。これにより、生産性が30%高まり、傷の無いナスを栽培でき、農薬散布を70~90%削減できる。Btナスの承認により、Bt綿など他の製品も検討が進められており、現在は疫病にかかりにくいジャガイモの圃場試験が行われている。
米国では、栽培面積が300万ha増加するという飛躍的な伸びと同時に、シンプロット社の開発したジャガイモとアルファルファが新たに承認された。ジャガイモは、食の安全保障に関連するアクリルアミドの減少と廃棄率の低下をもたらす。アルファルファは除草剤耐性と高い消化性のあるスタック形質が期待できる。