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微細藻類バイオマス利用シンポジウムが開催

 中央大学研究開発機構は9月3日、中央大学後楽園キャンパスにおいて農林水産省と共催し、「微細藻類バイオマス利用シンポジウム」を開催した。
 同シンポジウムは、農水省が委託した「地域資源を活用した再生可能エネルギーの生産・利用のためのプロジェクト(微細藻類を利用した石油代替燃料等の製造技術の開発)」の研究成果を発表することを目的に開催されたもの。なお、微細藻類の産業利用をめざし、先進的な研究開発を行っているユーグレナ、IHI、電源開発の3社による特別講演も行われた。
 冒頭に、開発プロジェクトの概要について、中央大学理工学部の原山重明教授が説明した。同プロジェクトは、2012~2015年度までの事業で、微細藻類バイオマスを利用し、農山漁村地域において燃料および飼料製造が可能となる技術開発をめざした。研究開発の課題として「微細藻類の分離と品種改良」、「大量培養」、「培養した微細藻類細胞を低コストで回収するための膜分離技術の開発」、「マイクロ波化学の持つマイクロ波を軸にした油脂抽出技術の開発と、抽出した油脂のメチルエステル化」、「油脂抽出されたあとの搾りかすの利用」について、それぞれの担当企業や大学が開発に取り組んだ。また、微細藻類の研究対象として、単細胞性緑藻であるPseudochoricystis ellipsoideaを当初選定したが、近縁であるPseudococcomyxa sp.KJ株(以下KJ株)が優れた油脂生産性を示すことが分かり、KJ株に変更して進められた。なお、一部の事業は途中からNEDOのプロジェクトとして継続して行われた。
 デンソーの先端研究部の保井秀彦氏は、農水省およびNEDOの委託事業として実施した、屋外レースウェイポンド法式(水路に藻が沈殿しないよう水を流しながら生産する)による生産方法の確立や育種改良について進捗状況を報告した。 愛知県での試験設備で、屋外レースウェイポンドでの通年培養に成功したことおよびコンタミを抑制して2ヵ月間の連続培養に成功したこと、さらに、数種類のオイル生産性向上に寄与するターゲット遺伝子を特定したことなどを明らかにした。