• セミナー

SOY CANADAが食品大豆セミナーを開催

 SOY CANADA(カナダ大豆協会)は2月18日、東京・港区のカナダ大使館において「カナダ食品大豆セミナー」を開催した。
 初めにカナダ大豆協会のジム・エバソン専務理事が、カナダ大豆協会の使命やカナダの大豆産業について、カナダでは食用・非遺伝子組み換え大豆品種が大豆生産全体の約25%を占めており、年間80~120万トンを安定的に輸出していることなどを説明した。
 また、世界で比類ないカナダの品質管理体制や育種・品種改良への取り組みを紹介し、「カナダは質の高いNon-GM大豆の最高の調達元だと思っている。我われは取引関係をさらに拡大していきたい。信頼できる世界で最も包括的なIP大豆のシステムを持っている。農家は経験豊かであり日本の顧客にとって最も価値のある大豆を生産している。そしてまた品種もどんどん広がっている。我われの研究コミュニティー、バリューチェーン全体で皆さんのニーズに注力している」とまとめた。

 続いて、カナダ穀物委員会サービス産業部工程確認・認定プログラム全国マネージャーであるローラ・アンダーソン氏が、2015年のカナダ産大豆の生産状況について「2015年のNon-GMの大豆生産見込みは130~150万トンを見込んでいる。オンタリオ、ケベック州の大豆生産は非常に安定している。ただし、西部の方の生産も徐々に増えてきている。カナダの大豆生産の増量のほとんどを西部の成長が担っている。西部で作っているのはほとんどGMで食品向けではないが、研究者は西部カナダの土地や気候に合うようなNon-GM品種を今研究している。ただし品種改良には短くて7年、あるいは10年かかるため市場にお目見えするには少し期間がかかる」と説明した。
 輸出については、「2014年は約350万トン、20億ドル相当のカナダ産大豆を輸出している。これはちょうど5年平均の輸出量300万トンと同じくらいだ。GM大豆の50~60%は輸出して油糧・油脂用分に振り分けられる。Non-GMは100%カナダの外に輸出されている」と述べ、わが国に関して「現在GM、Non-GM合わせても日本は第4位の相手国になるが、Non-GMだけを抽出すると日本が圧倒的に私たちにとって大きな市場となっている。日本はNon-GMの輸出額の33%を占めている」と安定的な輸出相手であることを強調した。
 また品質調査に関しては、サンプルの取り方が統一的でないために、サンプルの育成地域やその偏りが影響を及ぼして異なる結果がでるといった課題にも言及し、そのうえで「2015年の収穫は、品種・生産地によってたん白質含有量がやや低い。ショ糖、糖分は良好であり、イソフラボンは正常な範囲にある。そして豆乳加工のたん白質維持水準は良好である。しかし品種によるが2014年に比べて豆腐の食感がやややわらかいということが言えると思う」とまとめた。

 最後にオンタリオ州穀物農業者団体のマーク・ブロック会長が、トウモロコシ、大豆、小麦、を生産する自身の1400エーカー、600haの農場におけるイノベーション・技術や持続可能性への取り組みを紹介した。

 パネル・ディスカッションでは、大豆輸出業者も交えて加工設備の革新や品種改良の取り組み、IP大豆の作付けやプレミアムの動向などについて質疑応答が交わされた。