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予防歯科提案で成長するライオン「クリニカ」

 ライオンは2月15日、青山ダイヤモンドホールでオーラルケアセミナーを開催した。
 セミナーでは、はじめに同社オーラルケアマイスターの平野正徳氏が初期ムシ歯の現状とフッ素の活用について説明した。厚労省の調査によると、1人当たりのムシ歯の本数は若い世代を中心に減少してきたが、ムシ歯の罹患率の推移は約90%以上であまり変化が見られない状況で、まだ十分な状態ではないと平野マイスターは指摘する。ムシ歯の進行は負の連鎖を引き起こし、歯周病やひいては全身疾患、口腔機能の低下に繋がりかねない。
 ムシ歯になる一歩手前の状態である初期ムシ歯の段階であれば、適切なケアで健康な状態に戻すことができる。しかし、同社の調査によると、初期ムシ歯を知っている人は4割にとどまり、初期ムシ歯が毎日の歯磨きで修復可能であることを知らない人は46%にのぼるという。歯磨きに自信がある人でも、初期ムシ歯があった人は4割以上おり、20~30代では半数以上におよぶ。
 初期ムシ歯を進行させないためのセルフケアのポイントとして、平野マイスターは1)歯垢を残さず落とす、2)フッ素を口の中に残す、3)菌の増殖を抑える、という3点を挙げた。

 続いて、同社オーラルケア事業部の横手弘宣ブランドマネージャーが2016年新製品について説明した。ムシ歯に罹ってからの治療ではなく、罹る前の予防を大切にし、歯科医院等での定期健診等を通じたプロケアを受けることと、歯科専門家の指導に基づき自分で行うセルフケアの両方で健康な歯を守る“予防歯科”の考え方が重要となっている。同社の調査によると、予防歯科の認知者は93%、理解者は66%にまで浸透してきており、「クリニカ」ブランドの販売実績も予防歯科の提案とともに12年以降大きく成長し、14年は前年比14%増、15年は同9%増と拡大した。今年2月には「クリニカアドバンテージ ハミガキ」を改良新発売し、フッ素を歯の表面に長く留める独自の高密着フッ素処方と殺菌成分LSS、歯垢分解酵素DEXに加えて、さらに歯垢を落としやすくするために歯垢分散性分TDS(テトラデセンスルホン酸ナトリウム:洗浄剤)を新配合した。予防歯科の3つのポイント「歯垢を落とす」「フッ素を残す」「菌を増やさない」を1本で実現し、これまでのフッ素配合歯磨きとの差別化を図っている。DEXとTDSという2つの成分で、歯垢除去力を大幅に向上しており、従来品に比べて初期段階の歯垢では175%、成熟段階の歯垢では190%の除去効果があり、歯垢を徹底除去すると、歯面へのフッ素滞留量が約1.4倍高まることがわかっているという。
 また、「クリニカアドバンテージ デンタルリンス」(低刺激タイプ/すっきりタイプ)も2月に改良新発売した。CPCとBTCの2つの殺菌成分に加えて、新たにコーティング剤(グロセロリン酸カルシウム)を新配合している。2つの殺菌成分を歯面に留める歯垢形成抑制効果を従来品に比べて約4倍に高め、原因菌を寄せ付けずに抗菌効果が長時間続くことが特長となっている。