第3回国際こめ油会議(ICRBO2016)が開催
posted on : 2016.11.01
ICRBO2016組織委員会(宮澤陽夫委員長<東北大学教授>)は10月24~25日、東京大学伊藤国際学術センターにおいて「第3回国際こめ油会議」(ICRBO2016)を開催した。
会議では、東北大学の宮澤陽夫教授・名誉教授が基調講演を行ったほか、アジア各国のコメ油(RBO)市場の報告、専門的な技術発表、栄養性、アプリケーションなどについて発表された。
24日午前中に行われたカウントリーレポートでは、日本、中国、インド、タイ、ベトナム、パキスタンの6ヵ国の現状や業界の取り組みについて報告された。
日本こめ油工業協同組合の築野富美理事長(築野食品工業社長)は、「日本におけるコメ油産業を取り巻く環境」と題して講演した。
最初に、築野理事長は、日本のコメ油の供給(2015年)について、コメの生産量798万9,000トン、コメ糠生産量は59万5,000トン、コメ糠処理量32万7,000トン、コメ油の供給量は9万7,000トン(輸入を含む)と報告した。日本の植物油生産量約235万トンの中で、コメ油のシェアは3.3%に留まっている。
築野理事長は、コメの生産と消費が1960年代後半以降に一貫して右肩下がりで減少傾向にある一方、コメ糠におけるコメ油への使用割合は逆に上昇傾向をみせていることを強調した。2005年には同割合が50%弱だったが、2015年には約55%まで上昇。その結果、コメ油の生産量は6万数千トン台で推移し、一定の水準を維持している。