アメリカ穀物協会が「米国コーン・アウトルック・カンファレンス2018」を開催
posted on : 2018.02.10
アメリカ穀物協会は1月23日、東京都港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイにおいて、「米国コーン・アウトルック・カンファレンス2018」を開催した。
当日は、ケアリー・シフェラスグローバルプログラム担当上級ディレクターから「アメリカ穀物協会トウモロコシ収穫時品質レポート2017/18」および「トウモロコシ生産、需給見通し」について報告するとともに、「米国産トウモロコシの現状と今後の展望」をテーマにパネルディスカッションが行われた。
最初の講演として、ケアリー・シフェラス氏は、2017/18年米国産トウモロコシの品質レポートについて解説した。
まず、天候による生育状況と生育への影響について説明した。作付時(4月上旬~5月末)は、おおむね多雨の暖かな春であったが、気温のばらつきがみられた。その結果、どの時期も作物の成長に大きなムラが生じた。シルキングの頃(6月下旬~8月上旬)は、涼しかったため、登熟期間が著しく延びた。それにより、穀粒重量、たんぱく質と油分の含量は、良好で病害は少なかった。収穫時期(9月中旬~11月上旬)は、暖かくおおむね雨が多く、収穫の進捗が遅れたものの、容積重、硬胚乳、油分は良好となった。
全体的な作柄は、66%が「Good」もしくは「Excellent」との評価で記録的な収量になった。
等級ファクターではないが、水分含量は16.6%で、過去2年と5年平均(16.2%)を上回った。水分含量のばらつきも過去2年よりも大きかった。水分含量が多かったのは、多雨で収穫が遅れたことが原因とみられる。
たん白は、平均8.6%(乾燥ベース、以下同)で、2016年と同水準であるが、わずかに5年平均(8.7%)を下回った。北西部ECAのたん白質は8.9%で、過去3年、5年平均と比較して最も高かった。
でん粉は、平均72.3%で、過去2年と5年平均(73.2%)を下回った。ガルフECAの平均値は、3ECA中、でん粉が72.4%と最も高くたん白質の含有量が最も低い傾向がみられた。
油分は平均4.1%で、2016年(4.0%)、2015年(3.8%)および5年平均(3.8%)を上回り良好だった。