アメリカ穀物協会が米国産DDGSウェビナー開催
posted on : 2020.09.11
アメリカ穀物協会は7月22日、日本、台湾、韓国を対象とした米国産DDGSに関するウェビナーを開催した。
ウェビナーではミネソタ大学畜産学部のジェラルド・シャーソン博士により、DDGSの養豚、養鶏、酪農、肉牛の飼料としての給餌に関する研究成果の報告がなされた。現在、DDGSは世界中のすべての動物種にとって価値の高い飼料原料となっており、豚と家禽用の飼料に用いるDDGSの生産量、輸出量および消費量は著しく増加している。増加理由として、DDGSが可消化たん白質やアミノ酸を豊富に含有しており、他の穀物や穀物副産物などよりも多くの可消化リンを含んでいることが挙げられる。一方、供給元によってDDGSの栄養成分量にバラつきがあることが問題視されており、シャーソン博士は栄養成分量のバラつきを管理する必要性を指摘した。博士はウェビナーで、供給元の異なるDDGSの正確なエネルギー値を求めるのに有効な予測式を発表。実際に飼料として与えているDDGSを化学分析し、その結果を予測式に当てはめてデータベースを作成した上で、飼料配合に活用する方法を提案した。
また、DDGSは低価格であるため、その栄養価値は過小評価される傾向にあった。しかし、市場価格と飼料価値には関連性が乏しい点も追及。2018年の平均飼料原料価格をベースに計算すると、DDGSの配合率が30%を超える場合、14~16ドル/トンのコスト削減に繋がることが確認されている。さらに、配合率を50~60%に引き上げることによって5~10ドル/トンのコスト削減に成功している。こうした事実を踏まえ、DDGSの経済価値は市場価格を上回ると説明した。近年では、飼料コスト節減が追い風となり、米国において生育期から仕上期豚用飼料へのDDGS配合率が上昇しているという。
博士はDDGSについて「非常に供給量が豊富な飼料原料であり、今では世界各地で主要なエネルギー、たん白質、リンの供給源として注目されている。DDGSの多くの付加価値が周知され、飼料配合原料としての検討が進み、世界の食糧需要に持続可能な形で応えられることを願っている」と展望を述べ、研究報告を締めくくった。