• セミナー

USSECが米国大豆GTEをオンライン開催

 アメリカ大豆輸出協会(USSEC)は、日本時間の8月26~28日、オンラインカンファレンス「米国大豆グローバルトレードエクスチェンジ」を開催した。アイオワ大豆主催による、大豆製品需給および世界市場への影響についての講演では、まず、コバンク・ナレッジ・エクスチェンジのタナー・エームケ氏がプレゼンテーションを行った。
 エームケ氏によると、米国では新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、11月の大統領選などにより状況の不透明さは増しているという。今後3カ月で米ドルは30%も下落すると予想されており、ドル安傾向がこのまま続けば、大豆価格の高値期待が強まると考えられる。
 米国以外の主要大豆生産国については、アルゼンチンのペソやパラグアイ通貨が下降傾向にある。一方、ブラジルのレアルはドル安の状況下において値を上げており、米国にとってはプラスになることが期待できる。
 米農務省の最近のレポートによると、世界各国で大豆の記録的な生産量になるとされており、供給量は歴史的な水準になることが予測される。米国産は生産状況が改善され、期末在庫は昨年水準を大きく上回る見込みだ。国内外のエンドユーザーにとっても、豊富な供給量は魅力的な価格に繋がるため、朗報といえるだろう。
輸出については、米国産大豆が29%増加し、ブラジル産は10%減少するとみている。また、中国は多量の米国産大豆を輸入しているが、例年の水準と比べると決して高くない数字である。こうした事実について、「米国産大豆の中国への最大出荷は、来年の新穀期に持ち越しになるだろう」とエームケ氏は語る。10~12月に米国から中国への輸出が増大することが予想されているが、これは、中国国内の飼料価格が上昇しているため、飼料穀物と油糧種子の確保を急いでいるためだと考えられる。中国は、食糧価格のインフレを、輸入増加によって抑制しようと企てているという。
 米国において、輸出増加のためには国内情勢の把握が必須である。「養豚や養鶏がけん引する飼料需要の高まりにより、大豆粕の消費量は大幅に高まる見込みだ。また、ドル安がプラスに働き、輸出に関しても好調な動きが予想できる」と2017年、18年産の減少傾向から打開する見通しを述べた。