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アメリカンピーナッツ協会がプランピーナッツについてセミナーを開催

 アメリカンピーナッツ協会(APC)は、9月18日にThe Okura Tokyo リュンヌにて、少ない水資源で育つサステナブルなピーナッツについて、また、栄養不良を改善する栄養治療食「プランピーナッツ」を用いた支援について解説するセミナーを開催。2015年に国連サミットでSDGsが採択されてから5年が経ち、日本国内でも多くの企業や団体がSDGs達成へ向けた取り組みを始めている中で、改めて、ピーナッツが持つ持続可能な社会への可能性について言及する場となった。
 冒頭、APCの天野いず美駐日代表が挨拶を述べた後、第一部では、米国落花生組合SVP兼CMOのライアン・ルピシエ氏がビデオ出演にて講演を行った。米国落花生組合では、ピーナッツの需要を高めるために、商品研究や販売促進など、さまざまな活動を行っている。
ピーナッツは少量の水で育成可能であり、ナッツ類の中では水の利用効率は世界一といえる。また、マメ科のため独自に窒素を生成し、土壌を健全な環境に保つため、ほかの作物にとっても重要な役割を担っている。現在、米国の農業は高度に機械化され、多くのピーナッツ農家はGPSを用いて最小限の耕起システムを使い、生産性の高い農業を行っている。こうした農法の普及は、土壌浸食や水質悪化、除草剤の使用量などの減少をもたらし、より自然で健康的な環境にやさしいピーナッツ生産を可能にした。今後、ピーナッツ農業をより効率よく、費用対効果の高いものにするために、さらなるテクノロジーの進化が予想される。特に、農村地域でも5Gが使えるようになると、スマートフォンやスマートデバイスなどが利用可能となり、ますます農業のロボティクス化が進んでいくだろう。また、このほど米国ピーナッツ産業において、世界の研究機関との協力のもとピーナッツのゲノム解析が行われた。これにより、ピーナッツの全ゲノム配列が解明され、現在は米国落花生組合の科学者や植物ブリーダーによる新種開発が進んでいる。ルピシエ氏はこうしたピーナッツ産業の進化について「新世代の農業従事者たちが、より多様なテクノロジーを農場に配備しようと計画しているのは、実に胸躍る光景だ」と期待を述べ、プレゼンテーションを締めくくった。