「パティスリー&ブーランジェリージャパン2015」が開催
posted on : 2015.06.29
ベーカリーや洋菓子店向けの素材や技術等を一堂に集めた展示会「パティスリー&ブーランジェリージャパン2015」が、6月16~18日、東京ビッグサイトにおいて開催された。
ADEKAは、特長ある製品の紹介に注力した。マーガリンはバター不足代替の意味合いが強くなる中で、同社はバターにない価値を訴求し、もう一つの選択肢として選んでもらえる提案を試みた。「ソシエル 500G」は組み合わせる素材の風味を引き立てるマーガリンのため、たとえばチョコレートを配合する場合は量を減らしても同様の風味が得られる。これにより、出来上がりの軽さを出したり、分量が減った分チョコレートのグレードを上げるといった、単なるコストダウンに留まらない提案も行った。また、高コンパウンド品「マルシェブルターニュガトー」はクリーミング性に優れているため、バタークリームや絞りのクッキーなどに使用する際固くなるのを防ぐことができる。来場者からは、新しい素材を発見できたとの声も多く寄せられた様子だ。
花王は、独自の結晶化と液晶乳化技術を駆使した洋菓子用起泡性油脂を紹介した。同社の洋菓子用油脂シリーズはすぐれた起泡力を持ち、泡沫安定性が高くなるため、大量の仕込みをする際も生地の安定性を保つことができ、ふんわりソフトな焼き上がりを実現する。シリーズの中でも「マリッシュゴールド」は最も高い起泡性能を持ち広範囲に使用できるため、大手のみならず中小規模の土産物屋などでの使用にも適している。昨今の品質安定化ニーズの高まりも後押しして、引き合いが強まっている様子だ。
カネカが3月に新発売した「イニシャル」シリーズは、新規酵素と同社の油脂改質技術を結集することで、半生菓子の焼きたてのおいしさを長期にわたって維持することを可能にした世界初の機能性油脂であり、注目を集めている。展示会では、同品の理解をより深めるべく、“お菓子のアンチエイジング革命”と題してセミナーを催した。
築野食品工業は、更年期障害や高脂血症、ストレス改善等に有用であるγ-オリザノールが豊富なこめ胚芽油を、健康性やおいしさ、においに着目して紹介した。γ-オリザノールは加熱すると甘いバニラ様の香りがし、ニオイ成分が少ない特長を持つ。ブース内には、ナタネ油とこめ胚芽油のニオイの嗅ぎ比べや、パーム油とこめ胚芽油で揚げたドーナツの食べ比べなどを用意した。同社は今後、洋菓子向けでの新たな需要開拓にも注力していく考えだ。
日新化工は、ガーナチョコレートシリーズの「ガーナコレクション」と、抹茶チョコ「ル テ ベール シリーズ」を紹介した。中でも抹茶チョコシリーズからは、これまでのテンパリングタイプの本チョコや練り込み用ペースト、生菓子用コーティングタイプに加えて、7月には型抜きやコーチング等に使用できるノーテンパチョコレートの「ルセーラ」を発売する。顧客の要望に応えたラインナップ強化により、抹茶シリーズのさらなる定番化を図る。
横浜油脂工業は、4月に新発売した製菓製パン用エアゾール離型油「New Good Baker」と「Good Baker WIDE」を紹介した。2品は噴霧量が異なっており、それぞれピンポイントでの塗布や全体への塗布など、目的に合わせて効率的に使用できる。また、塗着効率は従来よりも10~15%高めた95%を実現し、周囲に飛散せずにキレイな作業スペースの維持を可能にした。