第41回日加菜種予備協議
作付拡大し過去最高の2,050万トンの生産予想
posted on : 2017.07.30
第41回日加菜種予備協議が7月13日にカナダ・ケベック州のケベック・シティで開かれた。カナダ建国150周年を記念する年に、英仏戦争でカナダ独立に最も大きな影響を与えた同地での開催となったことも意義深い。同協議の日本代表団は7月27日に農水省で記者会見し、予備協議の概要を報告した。会見には、水本充希団長(日本植物油協会国際部会長、J-オイルミルズ原料部長)らが出席し、日本植物油協会の齊藤昭専務理事が概要を説明した。
カナダ側の説明によると、今年の春は平原州の一部で干ばつ状態となり、マニトバ州南部やサスカチュワン州南部の一部およびアルバータ州のごく一部は非常に乾燥したが、その他のナタネ生産地域は良好な状態か若干水分が多い状態だった。しかし、6月には、乾燥していたほとんどの地域で順調な生育となったという。
ただ、昨秋、降雪の影響で秋に収穫できなかったところが西部カナダ地域全体で200万エーカーにおよび、シリアル穀物やナタネを含めて、まずこの収穫をしなければならなかった。寒くて天候が悪かったために、その収穫には時間がかかった。水分が多く、播種の時期が遅れたために、サスカチュワン州東部やエドモントンの北の一部地域では、今年の播種は行われなかった。さらに、水分の多い地域では、その収穫時にコンバインの通った轍ができ、それを耕す必要が生じた。一方、乾燥した地域では、発芽と苗の成長が遅くなった結果、のみ羽虫の害が発生し、播種をやり直したところもあった。
しかし、全体的には、現時点で多くの農家が今年のナタネの生育について楽観視しており、ほとんどの農家にとって現在は良好な生育状況にあるという。
需給展望については、昨秋の未収穫地域が全作物で約200万エーカーと見積もられる中で、ナタネについては80万エーカーが収穫されなかったと推計し、ナタネ全体の作付面積約2,000万エーカーに対して4%程度の影響という見方を示した。
今年のナタネ播種面積については、前年の2,063万1,000エーカーを上回り、2,200万7,000エーカーと推定されている。枝豆の播種面積が100万エーカー減、デュラム小麦も60万エーカー減少したほか、大麦、ビーンズも播種面積を落とした。今年の単収については、通常と比べて播種が遅れたこともあり、昨年の43.2ブッシェル(/エーカー)を下回り、41.6ブッシェルが予想されている。ただし、予備協議直前に、アルバータ州の南東部サスカチュワン州南西部といった乾燥した地域に少し雨が降った。マン氏は、その貢献度は不明としながらも、提示した単収予想は雨が降る前の悪い状況に基き算出されたものであると注釈を加えた。また、過去20年間の単収推移から、今後も単収の増加は見込め、2025年には52ブッシェルを達成できるとしている。