味の素は１月11日、東京・港区の品川プリンスホテルにおいて2012年春季新製品試食説明会を開催した。
　横山敬一取締役専務執行役員（食品事業本部長）はここまでの食品事業の販売状況について「（昨年の）震災後、７～９月をみると食料支出は確かに減っている。単身世帯が調理をしている状況が伺え、特に外食が減った。その中で、当社の主力の家庭用商品は、内食回帰によりロングセラー商品が好調に推移しており、７～９月からさらに10～12月は２桁成長の商品が増えている。外食についても市場は低迷しているが、当社の基礎調味料は堅調に推移している」と語った。

　今春の新製品では、「クノール」から「ごちそうスープパスタ」が注目される。「クノール」は2010年秋季からパンとスープを一緒に食べる“つけパン・ひたパン”で新しい食スタイルを提案し、11年上期までの１年間でカップスープの売り上げを12％伸ばした。さらに昨秋にはスープの中にパスタやパンが入った「クノール スープDELI」を発売し、10、11月における洋風スナックスープの売り上げは前年比45％増と好調だ。内食回帰傾向が進む一方、調理簡便志向も強い。また、家にある食材を使って野菜を多く摂りたいという意向もある。「クノール ごちそうスープパスタ」は、パスタ入りスープで、好みの野菜や肉、魚介などを一緒に加えて３分煮込むだけで、食事になるワンプレートメニューを作れる。野菜をおいしく食べるパスタの新しい食べ方を提案していく。
　油脂関連商品では、「GABAN スパイスドレッシング＜黒胡椒シーザードレッシング＞」を改良発売する。チーズソースの濃厚なコクが、より深くまろやかになり、アンチョビ、ガーリックが効いた本格的な味わいだ。

　試食会場には、Ｊ－オイルミルズも出展し、「AJINOMOTO」ブランドの食用油やマーガリン「ラーマ」を提案した。食用油では「AJINOMOTO さらさらキャノーラ油」「同 さらさらキャノーラ油あっさり炒め1/2」「同 健康サララ」に、コンパクトで使いやすい300gペットを新発売する。また、エコパウチ商品について、今までのごみの減容化についての訴求から、“プラスチック樹脂量1/2以下（当社同容量のペットボトル比較）”に変更した新しいパッケージデザインに切り替える。