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ライオンハイジーンが業務用クリーニング洗剤に新製品

 ライオンの100%子会社であるライオンハイジーンは、9月よりクリーニング用粉末洗剤「エルサット パルスフロー」の販売を開始した。同25日に東京・墨田区の同本社で記者会見を行い、クリーニング市場の動向や新洗剤の特長について説明した。ライオンハイジーンは、ホテルや飲食店などの厨房向けやクリーニング分野向けの業務用洗剤を中心に製造・販売している。
 会見では、はじめに川添衆社長が同社の事業概要について「当社の製品には2つあり、ひとつは(業務用洗濯機や食器洗い機など)機械の特性に合わせた洗剤を供給するプロユースのもの、もうひとつはライオングループの馴染みのあるブランドを大容量で使いたいという要望に合わせたものがある。モノを提供するだけでなく、効率的な使い方や衛生指導、マニュアル作りのお手伝いなどを含めた総合提案をしている」と紹介した上で、「その一環として、リネンサプライ向けの節水型のクリーニング用洗剤を開発し、一部テストラインで運用したものが好評を得ており、本格的に販売する。当社の事業は産業用で今後ますます市場も活況を呈するだろうし、総合提案によって顧客に役立つ商品提供をしていきたい」と語った。

 近年の業務用洗濯機のトレンドは、洗浄力が求められるのはもちろんだが、ユーティリティコスト、重油コスト等の上昇もあり、節水やエネルギーコスト削減が強く意識されている。こうした中で、業務用洗濯機の大手メーカーである東京洗染機械製作所は昨秋、超節水型の新型洗濯機として「パルスフロー連続式洗濯機GⅢPFシリーズ」を発売した。この新型洗濯機は、新洗浄システムにより従来機種より槽の数を削減し、使用水量は従来の半分以下、さらに洗浄時間も短縮できるように設計されている。エネルギーコストも含めたトータルランニングコストを抑えられることなどから、現在注目されている新型機種となっている。ライオンハイジーンは、この新型連洗に対応し、洗濯機の機能を最大限に活かす洗剤として「エルサット パルスフロー」を開発した。
 汚れ落ちやすすぎ性、洗い上がりの性能を向上させるために、同社が今回、工夫したのは、洗浄成分である界面活性剤と洗浄助剤であるアルカリ剤だ。高い洗浄力と低泡性を両立する界面活性剤としてノニオン界面活性剤に着目し、疎水基と親水基の構造と組み合わせを検討した。疎水基のノニオンは「(PRTR非該当の)植物由来の原料を用いた高級脂肪族アルコールを元にしたものから合成したものになっている」(企画開発部研究所の斉藤純一氏)。一方、親水基については低泡性や消泡性などを検討し、アルキレンオキサイドの中から選定した。「疎水基に合わせて親水基も従来使われていたものと違う、開発品に合わせたノニオンを使っている。この分子構造と組み合わせを最適化することによって、最大限に性能が上がる設計にしている」という。
 具体的な界面活性剤の一般名称は脂肪族アルコールアルコキシレートで、このアルキレンオキサイド型のノニオン界面活性剤を採用したことにより高い洗浄力と超低泡性を実現した。ノニオンの粉体製剤化という製造技術のハードルを超えることができたことも新洗剤の開発につながった。超濃縮化により洗剤使用量や包材の低減ができ、超低泡性によりすすぎ水の削減も期待できる。植物原料由来で生分解性に優れ、環境負荷も低減できる。濃縮タイプの粉末洗剤なので、洗剤溶液を作る回数を削減でき、作業性も向上できる。また、アルカリ剤の配合バランスを取ることで、アルカリが高いまま、下がり幅が低いまま洗浄が行え、非常に高い洗浄性能が得られたという。
ライオンンハイジーンは「エルサット パルスフロー」を「パルスフロー連続洗濯機」の洗浄システムに対応した次世代型の洗剤として本格販売し、連続式洗濯機分野でナンバー1を目指す。