昭和産業は７月29日、同本社において「2016年秋冬新商品および2016年歳暮期・昭和ギフトセット新商品発表会」を開催した。
　はじめに檜前慶一取締役専務執行役員が挨拶し、経済環境について述べた上で「当業界についても今後の穀物相場、為替相場はボラティリティの高い不安定な状況が続くとみられる。また、消費者の生活防衛意識は相変わらず強い。このような状況の中で当社グループとしては、安心・安全、高品質、また、価値ある製品、たくさんは出せないがキラリと光るような製品の提供を柱に、企業の社会的責任を果たすために、さらに中期経営計画『12-16』に掲げる課題の達成に向けて奮闘努力していく。製品開発の拠点である研究開発部門については、社内各所に分散していた研究・開発・技術の拠点を一箇所に集約し、ＲＤ＆Ｅセンターが船橋にほぼ完成しており、９月には本格稼働が始まる。当社の強みである多種多様の穀物原料を活かした提案力、総合力をさらに強化するとともに、顧客とのコミュニケーションの場として昭和グループならではの質の高い穀物ソリューションを提供し、より価値のある製品を提案していきたい」と意気込みを示した。
　続いて、食品部長の小河原賢二執行役員が挨拶し、「昨今の国内の食生活の現状においては、少子高齢化の進行や世帯人数の現象、有職主婦の増加を背景に消費者の食のニーズに対する多様化、また消費税の引き上げ以降、個人消費の落ち込みが鮮明となってきている。家庭内調理におけるニーズは依然として簡単・簡便、安全・安心にある」との見方を示した。そこで2016年秋冬新商品については、「１品目は誰でも簡単に調理でき、家庭での天ぷら作りのハードルを下げた『おいしく揚がる魔法の天ぷら粉』。天ぷら粉の昭和が10年ぶりに新商品として、創立80周年銘柄として発売する。２品目はホットケーキミックスメーカーシェアNo.１である昭和産業が製粉メーカーのノウハウを注いだ原料を主原料としたこだわりのホットケーキミックス『小麦粉屋さんのホットケーキミックス』。３品目は、今年で発売５年目を迎える『レンジでチンするから揚げ粉』をさらに使いやすく、おいしくリニューアルした」と概要を紹介した。秋冬新商品３品はいずれも９月１日から発売する。
　また、ギフトセットについては「９年ぶりにパスタセットの新商品を今年の歳暮期より導入する。国内のギフト市場は、ギフトの選び方や贈り方に変化が生じている。従来の儀礼的な贈答は減少する一方で、身近な存在である家族、友人などに対する感謝や好意を伝えるためのパーソナルギフトが台頭してきている。また、商品的にはリーズナブルな自家需要ギフトとプレミアムギフトに二極化している。そこで、贈り手が送りたくなる、貰い手がもらってうれしい、日常生活の中で、ゆったりとした贅沢な気分を味わえるように、こだわりの素材を使った贅沢なパスタソースを詰め合わせた大人のギフトセット『至福のひとときパスタセット』４品を新発売する」と述べた。
　同社に強みのあるカテゴリーでの新製品の追加と既存品のブラッシュアップにより、新規需要の創出と市場活性化を図っていく考えだ。