花王「エッセンシャル」髪の手入れのわずらわしさ軽減
Auto Separation Technologyと4つの独自技術を融合
posted on : 2018.07.11
花王は8月11日よりヘアケアブランド「エッセンシャル」を刷新する。忙しくてもキレイでいたい現代女性の「毎日の髪のお手入れをラクにする」ことを提案し、髪の手入れのわずらわしさに合わせた4タイプで展開する。7月3日にザ ストリングス表参道で新製品発表会を開催し、刷新する狙いや製品特長、技術背景を説明した。
ヘアケア事業部の小林恵美ブランドマネージャーは、忙しい現代女性に着目し、これまでのような髪質に関する悩みではなく、本音・ニーズの根底がどこにあるかを20~40代女性に調査したところ、「効率的にきれいな髪でいたい」という人が94%おり、同時に「髪のお手入れが面倒」と答える人も82%いたという。さらに、髪の手入れのプロセスのどこに苦戦しているか聞くと、「ドライヤーに時間がかかる」(59.6%)がまず挙げられた。次に「朝、スタイリングが思い通りに決まらない」(50.6%)、「自分でブローすると、髪が広がる」(51.6%)というように、スタイルが自分で上手く作れないところで苛立ちを感じている。また、「すすぎの時、指通りが悪く、髪がからまる」(48.4%)、「朝起きると、髪がからまっている」(42.4%)と、髪が絡まってしまい、髪の手入れにストレスがかかっている。「朝起きると、寝ぐせがついている」(51.0%)、「朝、寝ぐせを直すのが大変」(40.7%)といった悩みも多い。
つまり、ドライヤー乾燥に時間がかかり「髪乾かすのホントに面倒!」、コテやアイロンでスタイルが上手く作れず「毎朝、巻き髪うまくいかない」、「寝ぐせ、朝の天敵!」、「髪絡まって手に負えない」という4つに分類された。そこで、「いかにヘアケアのわずらわしいプロセス自体をラクにするか。それだけではなく、忙しくてもキレイに仕上げられることを実現して、忙しい女性たちの毎日をサポートしていきたい。ヘアケア ラクちん化運動という旗印のもと、単に新しい技術だけの差別化ではなく、その先にある生活上のベネフィットを創造して皆さんにお届けしたい」と語った。
新「エッセンシャル」のラインナップは、速乾タイプの<スマートドライ>、スタイリングが思い通りにキマる<スマートアレンジ>、ハネ寝ぐせを抑える<スマートスタイル>、傷んだ髪を補修ししっとりまとまる髪に整える<スマートリペア>の4タイプ。全タイプともシャンプー・コンディショナーをセットで使うとより効果的としている。
7月4日から速乾タイプの<スマートブロードライ>についてはEC先行発売しており、8月11日から全4タイプを全国発売する。
新「エッセンシャル」は、花王のキューティクル研究から生まれた新しいアプローチを活用し、ヘアケアストレスからの解放とキレイな髪を実現している。その技術背景について説明したヘアケア研究所の渡邊俊一主任研究員によると、4大ストレスの原因は「髪の絡まりにある」という。
髪が乾きにくい場所というのは、髪が絡んでいたり、引っかかったりして、そこに水が貯まって乾かすのが大変になる。髪が揃っていない絡んだ状態でスタイリングをしても、髪の向きがバラバラなため、スタイリングがキマらない。夜きちんと絡まりが取れた状態にしないまま寝ると、絡んでいる周りは乱れやすく、寝ている間に髪が動いたり、枕と擦れることによって絡まりがどんどん成長し、翌朝ひどい寝ぐせになるというのが現象としても確認されている。また、髪が絡んでいると、髪の向きが揃っていないため、髪がまとまらず、触ってもパサついた感触になる。つまり、4大ストレスの主な原因には、いずれの髪の絡まりが関係している。
一方、髪の絡まりをヘアケア製品で除去する技術としては、一般的にポリマーや、シリコーン等の油剤を指やクシを通しながら髪全体に馴染ませ、摩擦を下げることによって絡まりを解くといった手法がとられている。しかし、「この方法では、指やクシを通していないところには潤滑剤が行き渡らず、効果が不十分。頭髪は10万本もあるので、すべての絡まりをほどくことは現実に不可能であることは想像してもらえると思う」と渡邊主任研究員。
そこで、新たに花王が開発したのが「10万本ある髪の隅々まで作用して、自発的に絡まりを解く技術“Auto Separation Technology”」(以下AST)と呼ばれる技術だ。ASTを導入した溶液に髪を浸すと、指やクシを通さなくても、絡まりがほぐれ、クシを通せる状態になる。ASTでは水溶性の潤滑成分を使っており、水の中を自由に動き回ることができるため、髪の毛同士がくっついて絡んでいるところにも行き渡ることができる。「潤滑剤が髪全体に行き渡ることで、髪の摩擦が低減され、水の中で自発的に絡まりが解けるという効果を、シャンプーの泡立てから髪の乾燥後までの全工程で、絡まりのない状態を実現できる」のだという。
ASTには、ケア成分の浸透を促進し、それら4タイプの独自技術の効果を最大化することができるという、もうひとつの特長がある。例えば、毛束の内側にはコンディショナーに含まれる毛髪ケア成分が入りにくいが、ASTが髪の内側の絡まりを解いて毛束の中にケア成分が入っていきやすい環境に整えるので、毛束の内側1本1本まで浸透し、独自技術の効果を最大限に引き出すことができる。新「エッセンシャル」はASTと、接着性低減技術、熱可塑性向上技術、バリア機能向上技術、MEA補修技術をそれぞれ組み合わせることでヘアケアの4大ストレスに対応できるラインナップ(スマートブロードライ、スマートアレンジ、スマートリペア、スマートスタイル>)を実現している。