• 新製品

昭和産業が2018年秋冬家庭用新商品を発表

 昭和産業は8月1日、同本社において2018年秋冬家庭用新商品発表会を開催した。
 発表会の冒頭、山口龍也取締役常務執行役員が挨拶し、「春先からわが国の経済は緩やかな回復基調で推移しているが、最近の食品業界を取り巻く環境は、米中の貿易摩擦や地政学リスクにより、為替・株価・原料相場等が不安定な動きをしており、先行き不透明な状況が続いている。昭和産業は2025年度に向け10年計画『SHOWA Next Stage for 2025』を策定し、1st Stageにて『中期経営計画17-19』を昨年4月よりスタートし、現在2年目を迎えている」と述べた上で、油脂食品事業については「業務用においてはインバウンド需要に対応すべく、中食・外食に対しての様々な課題解決型の営業活動、商品を出していく。また、家庭用食品においては、昨今いわれている体にやさしい、健康を基軸にした商品を今回、新商品として発売する。昭和産業は粉と油のシナジーで色々な食のテーマシーンに対して提案をしている。その中で最も得意とする家庭用のプレミックスは、秋冬の商品という捉え方をされるが、今回は夏といった季節感を、われわれ独自の食べ方・メニューを各種メディア、SNSを活用し情報を発信することにより、さらに需要を喚起して、マーケットの拡大を図っていきたい」との考えを示した。
 引き続き、小河原賢二執行役員食品部長が挨拶し、「近年では、少子高齢化や平均寿命の上昇にともない、健康を意識した食生活を好む方が増えている。また同時に、消費者の商品に対する価値は本格的なおいしさに向かっている。そこで2018年秋の当社新製品は健康と本格的なおいしさをキーワードに油、粉もの、健康食品のカテゴリーから開発した」と述べ、9月1日より全国発売する秋冬新商品5品の概要を説明し、新規需要の創出と市場の活性化を図る考えを示した。
 食用油では料理への使いやすさと健康を兼ね備えた、クセのないあっさり軽い味わいの100%オリーブオイル「オリーブオイル生活」発売する。「家庭用オリーブオイルの市場は、健康イメージの広がりとともにエクストラバージン(EXV)オリーブオイルを中心に急成長している。しかし、『使い方がわからない』、『和食中心の食事をしている(和食に合わないというイメージがある)』、といった苦手イメージを持たれている方も見受けられる」ことから、EXVオリーブオイルに含まれるオレイン酸の栄養価はそのままに、苦み、辛みを抑え、これ1本でいろいろな料理に使えることを提案していく。
 プレミックスについては「食品の原材料は、安心・安全の観点から、国産の原材料に対するニーズが高い状況が続いている。小麦においても、こまで国産小麦粉を主に、麺類を中心に使用されてきているが、最近ではパン類や菓子類等の利用用途が広がる傾向がある」という。そこで同社は、国産小麦粉のおいしさを生かした昭和産業こだわりのお好み焼粉・たこ焼粉『昭和謹製お好み焼粉』『昭和謹製たこ焼粉』を開発した。「謹製という言葉には、原材料にこだわり、真心を込めて丁寧に作ったという思いが込められている」としている。
 また、今まで数々のヒット商品を生み出してきたから揚げ粉では、他社にない味わいを楽しめる「だしがきいてるから揚げ粉」を発売する。から揚げの喫食は増加傾向にあり、から揚げは依然として人気メニュー。“だし”は世界中で日本食が注目される中、国内においても、だし専門店が話題になるなど、だしの本格的なおいしさを手軽に楽しむ生活者が増えている。
 一方、来年に発売35周年を迎える『お釜にポン』シリーズから、乳酸菌を配合した『お釜にポン乳酸菌Plus』を発売する。「健康をキーワードにした食品に対するニーズが高まる中、乳酸菌は健康のために摂取したいと思う栄養成分の上位に位置している。これまでの『お釜にポン』に含まれるビタミンEはそのままに、乳酸菌も同時に摂取できる。ラインアップを充実させ、健康を意識するお客様のニーズに応える」考えだ。

 家庭用のオリーブオイル市場は、2016年まで30年近く増加傾向を示してきたものの、2017年は産地の不作を原因に価格が高くなり、微減にとどまったが、今後まだ拡大していくとみられる。同社の家庭用オリーブオイルのシェアは2013~16年に関しては0.2~0.3%だったが、2017年には国内充填化などの設備投資や販売促進をかけた結果、1%まで増加した。「今期に関しても昨年以上の売り上げが出ているので、現状の製品だけでもこれ以上の数値になると思う。さらに新製品を発売することで、よりシェアアップをしていきたい」と意気込む。
 既存品では300gと600gの「エクストラバージンオリーブオイル」を展開しているが、「オリーブオイルの中で3割程度を占めるピュアを狙っていきたい」ということ、また、EXVのような強い苦みや辛みを価値としてあまり優先しない消費者もいることなどから商品設計し、ピュアタイプの「オリーブオイル生活」を開発した。商品名は「生活により馴染んで、より親しみを持って欲しい、毎日少しずつでも摂取して欲しいという思いでつけた」という。あっさり軽い味わいで、クセがなく、揚げもの、焼きもの、生食、和食までいろいろな料理に使うことができる950gの大容量タイプとなっており、健康のためにオリーブオイルを使う人や、使ってみたいが現在のEXVを苦手と感じる人にアピールしていく。