ゴマ業界が合同賀礼会を開催
posted on : 2013.02.05
日本ごま油工業会と全国胡麻加工組合連合会は2月5日、東京・港区の芝パークホテルにおいて初となる合同賀礼会を開催した。
全国胡麻加工組合連合会の加藤三千男理事長(マコト・社長)が「今まで近くて遠い仲であったゴマ油の業界とわれわれ粒業界の始めての会合ということで非常に意義がある。われわれだけでは解決できない問題がいっぱいあり、手を携えて行動していければありがたい。その難問の第一点は残留農薬の問題、2番目が原産地表示、3番目が現在のゴマの価格状況で、この3つが大きな課題だ」と語った。
日本ごま油工業会の小澤二郎会長(かどや製油・社長)は「最近の状況は非常に良くない。アフリカでも(原料ゴマの)価格が相当上がっており、南米でも上がる期待感で価格が出てきている。思惑で様々なことが言われており、簡単にそうですかといえる状態ではない。また、円安はわれわれにとってメリットはなく、それだけでも相当のマイナスが出てくる。どういう風にしていくかは各社が判断することだが、外圧は強いが、それを押し切って企業を守らなければならないと思っており、どこかの時点で値上げの踏み切りをしなければいけないと考えている。前回(2008年)の原料高騰時には、率先垂範して走ったつもりだが、なかなか一発で価格是正ができたかというとそうではなく、やはり難しい話し合いになった。しかし、それを乗り越え何とか利益を確保できた。今回は、それよりも大きい幅になる可能性もあるので、もう一度、腹を括って取り組まなければならないと考えている。」と述べ、ここへきて急騰している原料ゴマ価格への対応が今年の大きな課題との考えを強調した。
賀礼会では原料ゴマ事情説明会も行われ、講師を務めた伊藤忠商事・食糧部門油脂穀物製品部・大阪食糧課長の天野敏也氏は「2013年になって価格が急騰している。搾油ゴマで1,900ドルを超え、間もなく2,000ドルも視野に入っている。一方、食品ゴマも、比較的競争力があるエチオピア産も昨年に比べて600ドル上がって、2,100ドルを超えている」と述べた。