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日本植物油協会が平成26年度通常総会を開催  新会長にJ-オイルミルズの楳田純和社長が就任

 日本植物油協会は5月20日、東京・大手町の経団連会館において平成26年度通常総会を開催した。総会では、役員の改選が行われ、新会長にJ-オイルミルズの楳田純和社長が選任された。また、副会長には日清オイリオグループの今村隆郎社長と昭和産業の岡田茂社長が選任された。
 総会後の披露パーティーの冒頭挨拶を行った楳田新会長は「世の中はデフレからの脱却ということで、いくらかこれまでのデフレ経済にどっぷりと浸かっていた日本経済が、少しインフレ的な、あるいは経済の立て直しの方向に、企業業績等を見ると実感するところである。しかし、植物油産業においては、まだまだデフレ的な傾向が続いている今日だろうと認識している。加えて、円安の定着や海外の油糧種子原料の相場が高くなったり安くなったり、乱高下で難しい動きをしている。コストに見合った製品価格で国内の経済と海外の経済を結ぶために、より適正な反映を行わなければならないこととともに、私ども自身が価格形成力の強化という長年の課題を乗り越えて行かなければならない。植物油の価値に見合った価格形成力の向上に私も今後努めて行きたいと思っているが、それぞれの企業でコスト削減を含めて競争力をつけて行くことにますます努力をして行くことは喫緊の課題と考えている」と語った。
 また、「製油産業はわが国のフードシステムのコア産業であるとともに、国民の命を支える価値ある植物油を安心、安全、安定的に消費者の皆様にお届けをする責務を有している。日本植物油協会はこうした産業界の直面する課題の解決に努力するということを踏まえると、業界のプラットフォームとしての事業展開に鋭意努めていく必要がある。今後、国の内外を問わず、分野を問わず、様々な事態が重層的に生じてくるのではないかと予想している。会員相互がフェアな競争を行いつつ、一致団結して業界の健全な発展を推進していかなければならない。このためにも、業界内部はもとより、関連業界と対話を行い、関係官庁の指導を得て、会長の役目をまっとうする所存である」との考えを示した。

 続いて、農林水産省の山下正行食料産業局長が来賓を代表して挨拶を行った。山下局長は「農林水産省では昨年12月に策定された農林水産業・地域の活力創造プランを実行するための施策に取り組んでいる。中でも和食の世界無形文化遺産への登録をきっかけに、さらに来年のミラノ万博、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れて、日本食・食文化について国内外に発信し、日本の農林水産の食品の需要の拡大に取り組んでいる。皆様方の中には、国内のみならず海外展開されている企業の方もいるが、わが国の高度な技術による植物油製品は海外でも普及していると承知している。今後さらに安全・安心で高品質な植物油がジャパンブランドとして展開していくことを期待したい」と述べた。
 その後、今村副会長の乾杯の発声で和やかな懇親の場へ。岡田副会長の中締めと、全国油脂販売業者連合会一同による油〆で散会した。