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東京油問屋市場が建値委員会納涼会を開催

 東京油問屋市場は9月3日、都内で建値委員会主催の納涼懇親会を開催した。
 はじめに金田雅律建値委員長が「納涼ということだが、ちょっと涼しいので納涼というよりもこの夏の疲れを癒して欲しい。9月になり中間決算の会社もあるが、商売をしっかりと元気を出してやっていけるように、今日はゆっくり休んでこれからの商売につなげて欲しい」と挨拶した。
 続いて、竹本油脂・東京営業部の戸田茂夫部長が「胡麻原料事情」をテーマに高値推移が続くなど昨今の原料ゴマを巡る環境について説明した。戸田部長によると「10年前までゴマ原料価格は平均700ドル(/トン)だったが、その後、中国が輸出国から輸入国へ転じ、一挙にゴマ油野価格が高騰した。2008年には2,800ドルという最高価格をつけた。中国は2,000ドルを超えた頃から買いが進まなくなり、天井が2,800ドルで収まり、その後急激な価格下落をした。ただ、下落と言っても10年前の700ドルまで下がらず、1,400~1,500ドルのレベルに収まった。09~12年は為替の円高効果もあり、若干小康状態を保った。13年には、為替が100円台の円安になったこととドル価で2,000ドルを超える水準になり、円貨ベースの原料価格は各社の経営を圧迫する状況になっている」と語った。
 「もともと日本がゴマの輸入は一番多く、年間16~17万トンくらい輸入していたが、昨年は14万トン台。その一方、中国は40万トンを超えて、今年はさらに買い進んでいるという情報もある」というように、中国のゴマ輸入量は中国海関によると13年に44万2,259トンに達し、14年1~6月累計では前年同期比115.8%の27万1,362トンに達している。
 また、戸田部長は、原料価格の高止まり以外に、現在発生している大きな問題として、輸入原料ゴマから検出される農薬問題について言及した。主なものは殺虫剤のイミダクロプリド。これまであまり検出されていなかったものが、原料ゴマの価格上昇とともにアフリカ各国での使用が見られ、残留農薬問題として命令検査になる事例が増え、通関に支障をきたしているという。
 また、今後の価格動向としては、「一部に軟化しているという話もあるが、(一般的な)契約価格の上を行く韓国テンダーの契約価格は2,000ドルを切っている。したがって普通であれば1,900ドルくらいで買え、オファーもそのくらいできているが、実際にそのゴマを使えるのは来年の夏前くらいからになり、今は高い。決して安閑とした状況ではないことに理解を頂きたい」と語った。