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松籟科学技術振興財団が研究助成金贈呈式
  助成金は32年延べ603件、6億6,000万円に

 (公財)松籟科学技術振興財団は3月4日、東京・丸の内のシャングリ・ラ ホテル東京において、2014年度(第32回)研究助成金贈呈式を開催した。ハリマ化成創業者である長谷川末吉氏が1982年に当時の科学技術庁から科学技術功労者賞を受賞したことを機に、翌83年に設立されて以来、同財団は科学技術、特に天然物の有効利用、生理活性物質および有機新素材に関する基礎的研究に対して、研究助成金の贈呈を行っている。
 長谷川吉弘理事長(ハリマ化成グループ社長:写真中央)は、贈呈式冒頭の挨拶で「本日贈呈する18件を含めると研究助成は延べ603件、助成金総額は6億6,000万円となった。第9回で研究助成を受けられたノーベル賞受賞者の鈴木章北海道大学名誉教授からハリマ化成グループの技術情報誌『HARIMA QUARTERLY』に、若い研究者への提言を頂いた。注意力、精進、独創性をキーワードに、日本人研究者からこれからも多くのノーベル賞受賞者が出ることを期待されていた」ことを紹介し、「助成を受けられる研究者の皆様には、それぞれの研究が大きな成果を生み、鈴木先生の提言に応えて、これからも立派な研究を継続され、ノーベル賞受賞の知らせを聞かせて頂けるように期待している」と語った。
 また、「今後も資源のない日本にとって、科学技術の発展こそが世界において日本が貢献できる道である信念の下に、細やかではあるが誇りを持って助成事業を続けていきたい」との考えを示した。
 贈呈式では、受賞者18名にはそれぞれ助成金100万円の目録が贈呈された。受賞者を代表して早稲田大学理工学部の水野潤教授は「日々精進しながら、これからの世代の学生も育てていきたい。どうもありがとうございました」と感謝を述べた。その後、研究成果発表が行われ、東北大学大学院薬学研究科の徳山英利教授が、11年度研究助成テーマである「酸化-骨格転位カスケードの精密制御を基盤としたアミナールアルカロイドの革新的合成」について発表した。