日油協が海外業界団体との交流を報告
日豪なたね情報交換会、東アジア植物油フォーラム開く
posted on : 2017.01.19
日本植物油協会はさる12月22日、記者会見し、11月8日開催された「2016日豪なたね情報交換会」と11月22日に中国・台湾を迎えて行われた「第4回東アジア植物油フォーラム」の概要について報告した。
初となる日豪なたね情報交換会では、まず豪州側代表の豪州油糧種子連盟(AOF)・ジョン・スリー会長が挨拶し、「1980年代後半から1990年代には、西豪州と日本との間でナタネ生産の50%日本、50%豪州という取り決めがあり、このような合意から豪州は生産の拡大が可能となり、豪州のナタネ産業の発展の基礎となった」と日豪の交流の歴史を振り返った上で感謝の意を表明し、「将来に渡って友好関係を継続したい」と述べ、定期的な情報交換会開催に意欲を示した。
日本側代表の日油協・宮川愛浩国際部会長は「わが国の植物油供給のうち41%がナタネ油であり、カナダ、豪州等からの輸入に依存している。豪州からは2004年には、ナタネ全体の2割を超える60万トンの種子を輸入した後、減少傾向となったが、近年、再度増加傾向となり、2015年には30万トンの輸入実績になった」と述べた。また、「数量・品質・価格の安定の3条件が整ってはじめて安定供給が確保されるものであり、適時に適切な情報が提供されることも大切な要素」と、原料の安定供給が最も重要な課題のひとつとの認識を示した。
一方、東アジア植物油フォーラムは2007年に形成して今回で4回目。日油協の今村隆郎会長は「各国それぞれの立場は異なるが、東アジアという歴史にも地理的にも緊密な各国が情報交換、情報共有に加えて、輸入国の立場で必要な場合には輸出国に発信していくことがこの会議の重要な柱である」との認識を示した。
中国植物油行業協会の涂长明副会長は「中国製油業界は20年で急成長したが、世界の大規模メーカーも工場を作っており、生産能力の過剰が深刻な問題となっている。その解決のため国内でシンポジウムを開催し、市場の検討をしているが、今後とも海外での交流、意思疎通そして知恵を借りることが必要と考えており、今回の会議は問題の突破口としても期待している」と挨拶した。
また、台湾区植物油製煉工業同業公會の洪堯昆理事長は「2016年の気象の激しい変動、グローバル化に関する自由貿易の台頭、テロリズムの影響等を業界はウケているが、全体として生産・販売は概ね安定的であった。国や地域が異なることで違いがあるが、交流や話し合いを通じて共に発展することが重要で、今回の会議はそのために有意義である」と語った。