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日油協・今村会長「付加価値型の事業構造に変える努力を」

 日本植物油協会は9月28日、都内で今村隆郎会長(日清オイリオグループ会長)と業界紙記者との懇親会を開催した。
 今村会長は消費市場の動きについて「景気は戦後のいざなぎ景気を超えるのではないかと言われ、その意味では景気は良いのだが、いざなぎ景気の頃は賃金も物価も物凄く上がった。ところが今は賃金も物価も全然上がらない。これが上がらないと当業界とすれば川上インフレ、川下デフレの状況が続き、収益を圧迫する。これが今年ちょうど起きているわけで、(各社が)一生懸命、適正な価格改定に取り組んでいる。会員各社がそれぞれの得意分野、技術や商品力を磨いて、付加価値型の事業構造に変えていく努力をした方が良いと思う。また、原料価格が上がることはあっても下がることはない構造になっているので、これを前提に各社のコスト構造を変えていく必要があると思う。そういう取り組みをそれぞれが行っていく中で、製油業界の体質を改善し、競争力を高めていくことが必要」との見解を示した。
 その上で「製油産業は川上に位置する産業で、食品産業に色々な油を提供して、食品産業に貢献している。われわれが衰退すれば、食品産業全体に大きな影響を及ぼす。使命感を持ってこれからも取り組んでいきたい。今年10月以降も厳しい状況に置かれるが、業界一丸となって取り組みたい。幸い油は一時の悪者みたいなところから油の健康性の部分で高い評価を得ている。追い風の流れに乗って、日油協としても栄養学の最新の研究動向を踏まえ、専門家や日本栄養士会らと連携しながら食用油の良さを積極的に発信していきたい」と述べた。