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日油協がパーム油認証に関する見解示す
MSPO等も組み込み多様な選択の余地を

 日本植物油協会は2月22日、定例記者会見を行った中で、パーム油認証に関する協会としての見解を示した。東京五輪オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が「持続可能性に配慮した調達コード」策定に取り組む中で、ワーキンググループにおいてパーム油に関する個別基準が検討されており、協会としての考え方を明らかにした。
 パーム油の認証を検討する場合、1)サステナブルを確保すべき、基準が確保されていること、2)その基準を守っていることを証明する客観的評定がなされていること、3)認証運用にあたっての実行可能性が担保されること、4)認証にともなう負担が公正で適正であることが確認されることの4点を日油協は必要条件と考えている。
 民間認証のRSPOは先駆的システムで、その基準も一定のレベルを達成していると評価する一方、マレーシア政府が認証するMSPOも否認する様な瑕疵はないとみている。ただしRSPOは会員制であり、国全体を包括する環境保護に直接連動しないのに対し、MSPOはアジアノ農業特性を踏まえつつ、一定の目標に全員を達成させようとしている点が異なる。
 また、RSPOは暫定措置としてクレジット方式を推奨していることに対し、日油協は、末端ユーザーがダイレクトに支払うことは、プレミアムコストを適正に負担する意味で有効としながらも、この場合、パーム油は、輸入通関時のロットに対応位した産地からの物流チェーンや、輸入通関時の確認ができないため、その後の物流管理において、課題が存在することに留意する必要があると考えている。
 RSPOとMSPOの最たる違いは、認証にともなうコスト負担について、RSPOはブランドであり説明する必要はないとしていること。日本としてRSPOを推奨することになれば、不透明な独占価格を許すことになりかねない危惧がある。その点、MSPOは公共行政当局が認証を義務化して面でおさえることにより、市場価格が形成され、社会的コストが大幅に削減されることが期待される。
 日油協は、確認証が切磋琢磨して、よりよい基準となりうること、さらにわが国、消費者、購買者に多様な選択の余地を与えることになるなどを総合勘案し、推奨認証としてRSPOを加え、MSPO等も明示的に組み込むべきとの見解を示した。