松籟科学技術振興財団が研究助成金贈呈式
posted on : 2019.03.13
松籟科学技術振興財団は3月5日、東京・丸の内のシャングリ・ラ・ホテル東京において、2018年度(第36回)研究助成金贈呈式を開催した。長谷川吉弘理事長(ハリマ化成グループ社長)は、贈呈式の冒頭、「当財団は1983年3月1日に発足して以来、本日贈呈する21件を含めると、研究助成は延べ677件、助成金の総額は7億3,900万円の助成を行うことができた。2018年度に応募頂いた54件の研究はいずれも立派な研究で、甲乙つけがたい内容であり、選考委員の先生方には非常にご苦労頂いた。その中から21件の研究テーマが採択され、本日の贈呈式には20名の研究者の方に出席頂いている。この中から優れた研究成果が出ることを期待している」と述べた。また、日本の小惑星探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうへの着陸に成功したことについて触れ「日本では科学技術の基礎研究分野への投資が諸外国に比べて相対的に少なくなっており、世界から取り残されるのではないかと危惧されているようであるが、まだまだ日本の科学技術の力は捨てたものではないと考えられる。当財団としても、日本の科学技術を支える一助となるよう、当財団設立37年目となる2019年度の事業計画では、継続して科学技術の発展に寄与し、より一層の支援事業活動を行うことを、先ほど開催した理事会において承認頂いたところである。今後とも資源のないわが国にとって、科学技術の発展こそが、世界において日本が貢献できる道であるとの信念の下に、細やかではあるが誇りを持って助成事業として続けていきたい」との考えを示した。
その後、来賓祝辞、中島邦雄選考委員長(政策研究大学院大学名誉教授)による選考委員会報告に続いて、長谷川理事長から受賞者それぞれに助成金100万円の目録が贈呈された。名古屋市立大学大学院薬学研究科の山村寿男教授は研究助成金受賞者を代表して助成金21件の贈呈に感謝の意を表すとともに、自身の研究領域について紹介した上で「薬理科学者の夢としては、自分の研究している間にひとつでも新薬を作りたいという夢があるので、これに向けて本研究助成を大いに活用させて頂きたい。わが国が目指す科学技術イノベーションに向けて微力ながら研究に邁進する」と語った。
引き続き行われた記念講演では、国立研究開発法人森林研究・整備機構の大平辰朗森林研究所関西支所長(写真下段中央の長谷川理事長の右隣)が「トドマツ枝葉を利用した空気質改善剤の開発」をテーマに講演した。