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日清オイリオG・鈴鹿市・鈴鹿医療科学大学が産学官連携

 日清オイリオグループと三重県鈴鹿市、鈴鹿医療科学大学は2月22日、鈴鹿サーキットホテルS-PLAZAで共同記者発表会を開き、健康寿命延伸に向けた産学官連携協力に関する協定について明らかにするとともに、同協定の調印式を行った。
 産学官連携のテーマは「健康寿命を伸ばそう!鈴鹿市!運動と食生活そして地域の連携!」とし、サブテーマには「食生活(中鎖脂肪酸)による健康寿命延伸の可能性の追求」を掲げた。取り組みの具体的な内容に以下の4つを挙げた。
 ひとつめは、地場食材の認知向上と利用促進。地産地消を起点に地域社会とそのコミュニティの健康増進や活性化を図ることが狙いで、鈴鹿市の地場食材とココナッツオイルなどの植物油をコラボレーションさせたレシピを開発し、流通・小売店とともにそのPRや活用を推進する。さらに鈴鹿市民からレシピを募集するなど、地場食材へ愛着と消費推進を支援する。
 2つめは、食生活での市民の栄養状態向上の大規模研究。60歳以上の鈴鹿市民500名を対象に、1カ月×3班に分けて今年7~9月にかけ、同社と鈴鹿医療科学大学で開発した地場食材と中鎖脂肪酸を積極的に取り入れた食生活によって栄養状態が向上するか、ひいては健康寿命延伸に繋げることができるのか検証を行い、その意味や価値を確認する。対象市民の募集には、鈴鹿市の自治会連合会や老人クラブ連合会の協力も仰いでいく。身重や体重といった一般的な項目、中鎖脂肪酸の適切な摂取に関する指導を行った上での日々の食生活の変化、トランスサイレチンなど健康寿命延伸と相関があるとされる血中成分の変化などを検証する。「2016年の後半くらいから検証し、改めて結果については報告の場を持ちたい。およそ1年間くらいと考えているが、もう少し早く結果が出れば報告したい」(日清オイリオグループ・今村隆郎社長)としている。
 3つめは、食生活(中鎖脂肪酸)の基礎的研究による機能性解明。健康寿命を延伸するための可能性を研究・検証する基盤の構築を図るため、中鎖脂肪酸を用い、低栄養モデルマウスでの脳抗炎症効果を鈴鹿医療科学大学で評価する。
 4つめは、食生活(中鎖脂肪酸)での認知症罹患者の低栄養状態改善検証。鈴鹿市内の認知症罹患者への支援と食生活での栄養状態改善を検証する。認知症カフェの運営支援や、その支援を継続した中で栄養状態が改善するか検証していく。
 これらの具体的取り組みにおいて「鈴鹿市には市民との協働を進める仕組みづくりを、鈴鹿医療科学大学は学術的な立場からの指導をお願いしたい。当社はこの産学官の連携を通じて、中鎖脂肪酸の健康機能を科学的に追求することで、鈴鹿市の皆様の健康づくり、そして健康寿命延伸に繋げることを目指していきたい。植物油を上手に使うことで豊かな食生活を実現し、そして予防医療にも繋げていくことができれば、鈴鹿市のみならず日本の、そして世界の人々の生活を支え、社会に貢献できる」との考えを今村社長は強調した。