バイテク情報普及会がGM作物の最新状況を報告
posted on : 2018.08.30
バイテク情報普及会は、8月23日、ステーションコンファレンス東京において、「2017年世界の遺伝子組換え作物の商業栽培に関する最新状況」~国際アグリバイオ事業団(ISAAA)2017年次報告の発表~と題したセミナーを開催した。ISAAA企画担当理事兼作物バイオテクノロジー国際ナレッジセンター長のロードラ・ロメロ・アルデミタ博士が、2017年の世界の遺伝子組換え(GM)作物の商業栽培に関する状況を報告した。
2017年の世界のGM作物の栽培面積は、1億8,980万ha(前年比103%、470万ha増)となった。栽培国の内訳は、中南米10ヵ国、アジア太平洋8ヵ国、北米2ヵ国、EU2ヵ国、アフリカ2ヵ国であった。上位5ヵ国のGM作物栽培面積・導入率は、米国7,500万ha・94.5%、ブラジル5,020万ha・94%、アルゼンチン2,360万ha・100%、カナダ1,310万ha・95%、インド1,140万ha・93%となり、5ヵ国の合計は全世界のGM作物栽培面積の91.3%を占めた。
2017年に新たに消費者に提供されたGM作物には、カナダにおける疫病耐性のあるジャガイモ(40ha)、米国における褐色化を遅らせるリンゴ(101ha)、コスタリカの高アントシアニンのピンクアップル(25ha)、バングラデシュのBtナス(2,400ha)、米国・カナダの低リグニンアルファルファ(米国8万ha・カナダ3,000ha)などが挙げられる。さらにカナダでは、GM動物の商品化としては初となる、成熟までの期間が天然の半分になるサケ(4.5トン)が市場に流通した。