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不二製油が「大豆ルネサンス」の発表会を開催、豆乳クリームや低脂肪豆乳を来春発売へ

 不二製油は10月2日、東京・品川のプリンスホテルで大豆事業の中長期的事業戦略「大豆ルネサンス」の記者発表会を開催した。
 冒頭に、海老原善隆代表取締役社長は挨拶の中で「大豆ルネサンスの“ルネサンス”は文芸復興という意味で、14世紀から17世紀にイタリアを中心とした古典文化に戻る活動である。大豆ルネサンスは、文芸復興ならず大豆復興になり、大豆の原点に戻って改めて大豆の良さ、新しい価値を引き出す試みである。その中心になるのが、今回紹介する大豆の新分離分画技術(USS)とこれにより生まれてくる大豆素材である。USSは、画期的な製法で大豆臭のない、大豆特有のコクミが残った新しい素材が誕生した。今までよりも大豆の風味を活かし、環境にやさしく、美味しい健康素材ということができる。大豆の力で日本や海外の栄養価値向上に微力でも役立てたい」と語った。
 「大豆ルネサンス」の柱となるのが、同社が開発した新分離(USS)製法である。これは、おいしさを追求した、独自の抽出技術・遠心分離する技術であり、USSを活用して低脂肪豆乳、豆乳クリームを2012年春に上市する。低脂肪豆乳は、豆乳の低カロリー化や大豆脂質による風味劣化低減を実現し、(無脂肪)豆乳ヨーグルトや飲料などへの用途が期待される。豆乳クリームは、和風のクリームの新素材で、食品のまろやかさの付与、大豆のコクの付与、優れた乳化力などの特長がある。ホイップクリームや調味食品などが用途として見込まれる。
 約2兆円の市場規模を持つ乳製品に比べて、豆腐・大豆製品の市場規模は約3,000億円と規模が小さいが、革新的な技術により、大豆本来の美味しさを追求し、新たなビジネスモデルを構築していく考え。
 同社は、USS製法による豆乳素材を生産するため、阪南工場に月間生産能力200~300トンのプラントを新設した。マーケットの反応に合わせて新たな投資を視野に入れている。