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ライオンが制汗剤の使用感と容器適合性を両立したパウダー技術を開発

 ライオンは10月26日、同社平井事業所において制汗剤の新技術説明会を開催した。ビューティケア研究所の杉本真弓研究員が「朝使用に適した製剤へのシリコーン複合パウダーの活用」と題して新技術について説明した。

 今年同社が実施したデオドラント実態調査によると、制汗剤は20歳代以降の成人女性に多く使われているが、20~30代女性がデオドラントケアを行うタイミングは朝、出勤時が84%と最も多い。夏場でも6割以上の人が朝に入浴・シャワーを行わないという実態がある。朝のデオドラントケアでは、ワキ以外にもケアする人が6割近くに達し、剤型別ではパウダースプレー(61%)、シート(29%)、ウォーター・ミスト(10%)が使われているという。しかし、スプレーやシートでは「もっと爽快感が持続してほしい」、スプレーでは「刺激が強すぎる」、また、「もっと全身に使いたい」「背中に届かない」といった現状の全身デオドラントケアに対する不満も挙げられている。
 そこで同社は、生活者ニーズに合った朝用デオドラント剤として、使用実感と使いやすさを両立した剤型と容器の開発に着手した。使用実感(さっぱり感)については、エタノールとメントールの最適比率を設定し、さらさら感については感触に優れたシリコーン複合パウダーを選定し、ウォーター剤型に着目。さらに、使いやすさについては、シャワー感覚で全身に使いやすいトリガー容器を選定した。

 シリコーン複合パウダーは、球状シリコーンゴムをシリコーンレジンで被覆した球状粉体で、さらさら感と柔軟性(なめらかさ)を両立できるのが特長だ。また、肌への残留性も既存のスプレーで使用されるシリカと比べて優れており、さらさら感の持続性につながる。同社が行った生活者評価においても、優れたさらさら感と、その持続性が確認されている。
 一方、トリガー容器を使ったウォーター剤を開発するにあたり、製剤中の粉体が凝集してトリガー内の流路をふさぐことによる排出不良発生をいかに防ぐかが、採用する粉体を選定する上で重要なポイントでもある。この点についても、シリコーン複合パウダーは、凝集しにくさと柔軟性を両立した粉体であるため、使用感触だけでなく、トリガー容器に適した粉体であるといえる。
 同社は、関連特許を4件出願しており、今後、同技術を用いたデオドラントケアを近く商品化する考えだ。また、虫除けや日焼け止め、全身用のボディミスト等への応用も可能としている。