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USSECが大豆絶縁油をテーマにセミナー

 USSEC(アメリカ大豆輸出協会)日本事務所は7月15日、カーギルジャパン、日本ケミカルズ販売の協賛で、明治記念館で「大豆から生まれた絶縁油の可能性」セミナーを開催した。
 セミナーでは、「米国産大豆とサステナビリティについて」(USSEC・西村允之日本代表)、「大豆から生まれた絶縁油」(日本ケミカルズ販売・菊地海華氏)、「FR3の変圧器への適用」(東光高岳・渡邉晋一副課長)、「大豆油(植物油)系絶縁油のガス分析」(ユカインダストリーズ・長谷川真之副部長)という4題の講演が行われた。
 日本ケミカルズ販売の菊地氏は、カーギル社製大豆絶縁油「FR3」の特徴や機能性を解説した。
 まず、「FR3」の特徴として、防災に対する「安全」、環境に対する「安心」、経済メリットを生み出す「最適化」の3つを挙げた。
 「安全」については、鉱油系絶縁油は引火点146℃、燃焼点152℃で危険物に該当するのに対して、「FR3」は引火点320℃、燃焼点360℃と高く非危険物に認定されるとともに、火災対策の点で優れていると説明した。
 次に、「安心」については、「FR3」は、原料が大豆油であるので、カーボンニュートラルにより、CO2排出量を低減できる。鉱油は、FR3と比較して10倍、シリコン油は25倍のCO2を排出する。また、万一漏えいした場合でも、生分解性に優れているので、速やかに分解し、除去費用も安価で済む。
 3つめの「最適化」については、国際規格のIEC、米国規格のIEEEでは、天然エステル油入絶縁システムでは、鉱油に比べて15~20℃の高温運転(高負荷運転)が認められていることから、「既存変圧器では、FR3に入れ替えることで、変圧器の長寿命化や高負荷運転が可能になり、新設変圧器では同容量の変圧器の小型化が可能になる。3つの最適化をお客様のニーズに合わせて組み合わせて、さらに最適化した変圧器を作ることができる」と説明した。